千早茜『クローゼット』を読んだ
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わたしは衣服の歴史やつくりにまったく造詣が深くなく、
細かい説明の部分は真剣に読んでしまうと挫折してしまうので読み飛ばしてしまったが、
服オタクのひとは読んだらおもしろいのではないか?と思いました。
そういうひとには強くお勧め。
作者はもともと服に詳しいのか、そのうえですごく細かく調べたのか、
それともこの作品を書くためにゼロから調べ上げたのか?
いずれにしてもここまで細かくかけるのは凄いと思った。
以下、ネタバレありの感想にします。あまり肯定的なレビューではないです。
自分が好きだと思える登場人物が居なかった。
芳は自分の外見の良さに自覚的で、何人か遊んでいる女の子がいるみたいだが、
そういうところに関して自信の葛藤が描かれることなく、
他者と向き合うことがテーマ?みたいなところがあるのに、解消するというそぶりがないのがちょっと個人的に不快だった。
まぁ、「これが正しい!」みたいに書くことが必ずしもいいことではないと、
『星の子』を観て学んだはずなんだがな、私は……。
この小説謎とされるの点と点が繋がり、線になる瞬間は快感だった。
芳と纏子が恋愛関係にならないのは心底よかったと思う。
纏子、幸せになれよ。
おわり