吉本ばなな「うたかた/サンクチュアリ」を読んだ。
実家に居て、焦燥感から何か読まないと! と思い、手に取った。
買ったのは随分前なんだろうけれど、買ったことさえ覚えておらず、読んだ記憶もなかった。
実家の本棚の写真を撮ろうとしたのだが、親が探し物をしたようで本棚の前が大変なことになっており、断念した。
実家には200冊ほどの積読(!)がある。全然読めてないのに次々に新しい本を買って行った部屋の顛末……。
いつか、自分の城を持ち、実家にあるものを引き上げねばと思ってはいるのだが……。
「うたかた」「サンクチュアリ」の二編の短編集。
両者には関わりがなく、それぞれ独立した作品。
実家にあったのは角川のほうだった。
PCの前に腰を下ろし、YouTubeでイタリアの絶景を無音で流し、
iPhoneで「集中できる音楽」をかけながら読んだ。
こういう読み方は初めてしたけどなかなかよかった。
ややネタバレあるので、一応ワンクッション入れます。
■うたかた
吉本ばななさんって結構独特な家族の話を書かれている印象。
人魚(主人公)による嵐に対する恋愛感情の描写めちゃくちゃ好き。
読みやすいのに深い書き方をされているのがほんとうにプロだな~と吉本ばななさんをこんなあっさいことばで語るのを申し訳ないくらいだが、実に痺れた。
心地よかった。
■サンクチュアリ
正直言って度肝を抜かれた。
『うたかた』は「気持ちいい、いい作品」くらいなんだけど、
『サンクチュアリ』は「かなりいい作品」。
何度も読み直すと思う。
「喪失感」で共鳴し合った男女が、単純に行きずりの関係にならないっていうのがほんとうによかった。
こうやって書くとかなり単純だけど、彼らの重ね合ったことばがほんとうにズンときたんです。
1990年代の小説だが、いずれも褪せることなく、鮮やかに感じるとることができてよかった。(一部その当時ならではの表現はいくつかあったけれど)
感動してめちゃくちゃ爽快。
そんな気持ちだったので、続けて「あとがき」読んでしまって結構がっかりしました。
ファンじゃないから「ふふふ」っていう気持ちにはなれなかったんだけど、ばななさんて、シャイなんですかね? 時間をおいて読み直せばまた違う気持ちで取れるのかもしれないけれど、やっぱり文庫本の「あとがき」」とか「解説」は続けて読むものじゃないなと改めて自戒。(吉本ばななさんおよびよしもとばななさんの作品はこれからも読みますよ!!)
でも、「うたかた/サンチュアリ」かなりいいので読んでみてください~。
『ムーンライトシャドウ』未読なんですけど、映画観てから原作読みたいかな~~~~。
先に原作を読んでしまうと、映画を観るときにざわざわしたら困るので、
原作未読の映画の場合は、映画を観てから読むようにしています。
読んでくれてありがとう。またね。
読者登録していただいた方々もありがとうございます。
おわり